いばらきみまもりあいプロジェクト 初の「つどい」開催

高齢化が進む社会で、認知症の方が行方不明になる件数が年々増えています。
地域での近所付き合いも時代とともに変化する中、安心して暮らし続けられる地域を目指して、私達はICT技術によるみまもりあいアプリを活用して、多くのアプリ登録者の目で、不明者を見つけ保護する仕組みを作る活動「いばらきみまもりあいプロジェクト」を2020年度から開始致しました。

茨城県の高齢化と認知症の現状に対し、みなさんと共に考えていきたいと願い、本日のつどいを企画開催しました。

「つどい」の運営は、みまもり推進ネットワークの8団体(茨城保健生協、茨城県JA中央会、茨城県社協、いばらきコープ、パルシステム茨城 栃木、生活クラブ生協、共栄火災海上保険、NPOともに歩む認知症の会茨城)の皆様にご協力いただき、開会の挨拶を代表世話人を務める茨城保健生協の山川様から、閉会の挨拶を副代表世話人を務める茨城県JA中央会の鯉沼様からいただきました。

今回のプログラムは、1.茨城県福祉部より講話 2.ドキュメンタリー映画「ぼけますから、よろしくおねがいします」の上映 3.NPOともに歩む認知症の会の活動ご紹介 でした。

内容の一部をご紹介いたします。

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【講演プログラム】

1.茨城県福祉部より講話

初めに、茨城県福祉部長寿福祉課の清水さまから、茨城県の現状と施策について、お話をいただきました。

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茨城県内の高齢者は2025年には86万人
そのうち認知症はその2割近くになると予想

国内の認知症を年齢階級別に見ると、75歳を契機に1割を超えます。以降は5歳上がるごとに倍の割合となり、85歳で20%を超えます。さらに年々高齢化に伴い認知症の割合も増えていくのが今の日本の現状です。

茨城県内でも2025年には人口の3割の86万人が高齢者、そのうち2割近く、17万人ほどが認知症という状況になると予測されています。

また、令和2年の警察庁全国行方不明者のデータによると、行方不明者のうち「認知症の疑いあり」は全体の2割を超え、この数字も年々増えています。茨城県でも年間400名以上の認知症行方不明者がいます。
つまり、認知症の当事者の方やそのご家族が安心して暮らすことのできる地域、仕組みづくりは喫緊の課題と言えます。

認知症は、年を重ねると誰もがかかる可能性のある脳の病気です。
しかし、知識を持って対応することができます。

■認知症の進行を遅らせるために

以下のようなできることがあります。
●健常者:運動不足の改善、生活習慣病の予防、社会的孤立の解消・役割の保持
●軽度認知障害(MCI):認知症医療疾患センター指定の病院での「認知力アップデイケア」などへの参加
●認知症の疑い:早期の相談・診断。かかりつけの医師や、地域医療包括センターの相談窓口を利用する他、若年性認知症についても筑波大附属病院等の相談コーディネーターに相談可能。

それでも認知症は進行していきます。
そこで大切になるのは、「地域の支え合い」です。

※いばらきみまもりあいプロジェクトHP トピック「4つの縁」もぜひお読みください(http://mimamoriai-ibaraki.com/index.php?QBlog-20220330-1

■茨城県の認知症施策

茨城県では、その課題に対し、以下の認知症施策があります。
●認知症サポーターの養成:養成講座を通して認知症の正しい知識と理解を身につけることができます。県下ではのべ30万の卒業生がいます。
●SOSネットワークの構築:認知症関係事業者や警察、消防など公的機関、バス・タクシー会社などの生活インフラ事業者がネットワークを構築しています。

また、地域の生活インフラを支える事業所への「茨城県認知症の人に優しい事業所認定」を行う事業も新たに進んでいます。

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茨城県の高齢者の現況

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茨城県の認知症の人に優しい事業所認定事業

2.ドキュメンタリー映画
「ぼけますから、よろしくおねがいします」
認知症に向き合う家族の姿

次に、2時間のドキュメンタリー映画を皆さんとともに観ました。

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認知症を漠然と怖いものと思うのではなく、誰もが、そして自分もなる可能性がある病気として実際を知ることが大事だと思い、今回のドキュメンタリー映画を選びました。

家族のカタチだけ事例がありますが、この映画の信友さんの視線を通して、感動したり苦しんだり、少しでも自分ごととして意識し共感することができたのではないかと思っています。

私達が認知症を隠すのではなく、辛さも楽しさも生きることだと考えて向き合う勇気を持つことが、私達みんなにとっての暮らしやすい街づくりの第一歩だと考えさせられます。

(あらすじはこちら 映画公式サイト https://bokemasu.com/bokemasu1/

3.NPOともに歩む認知症の会・茨城
代表澁谷氏の思いと発信活動

さいごに、みまもりあいネットワーク組織でもあり、認知症の理解と場作り、情報発信を行う「NPOともに歩む認知症の会・茨城」代表の澁谷さまから、実践の中からの貴重なお話を頂きました。

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澁谷さまはご両親ともレビー小体型の認知症を患い、介護のために若くして離職も体験しました。

そんな中で認知症カフェなどの活動を通して他の認知症当事者にふれることで、ご両親の認知症の理解も進み、向き合うことができたといいます。認知症本人への理解が欠かせないといいます。そしてレビー小体型認知症当事者でNPO立ち上げメンバーのお一人でもある平さまとの出会いから、活動を立ち上げました。

平さまと澁谷さまのこの言葉が印象的でした。「病気を理解すれば、家族が楽になる」

認知症の方は怒ったり暴れたりして家族が驚いてしまうことがありますが、それはその時の嫌なことだけでなく、自身が感じている様々な不安、悩みなどが一緒に出てきてしまうのです。

怒りに対して何もできなくても、理解しているだけで、家族は気持ちが変わることができる。「会話の中で、笑顔になれる方は、活動参加を通して、よりよくなることができる」ともおっしゃっていました。

■認知症カフェの活動について

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現在NPO主催で開催している「認知症カフェ」のご紹介をいただきました。

●当事者向け:オレンジカフェ ご本人の困りごとの相談の場
●家族向け:オレンジサロン 認知症ご家族の方を中心に、経験などをお話ししたり交流する場
●地域向け:となりの縁側 認知症関係者でなくても、自分も家族も元気なうちから認知症に関する情報や知識を得ていただく場
●オンライン:「オレンジサロン」と「となりの縁側」をオンラインと会場のハイブリッド開催

最近は若年性痴呆症の方を主体としたコーヒーボランティア事業も行っています。

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■今後の課題

活動を行う中で感じる課題にも触れていただきました。

女性が認知症になり、配偶者の男性が慣れない料理と介護に苦労したり、男性が認知症になると女性は経済的に負担が大きくなるという傾向を見ていて感じるのは、いかに元気なうちに支え合いつつ自立して暮らしを営むかということだそうです。また、多様な暮らし方がありみなさん状況が違うので、各地域に専門家がいて相談ができる環境づくりの必要性にも言及いただきました。

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認知症のご本人もご家族も地域の方も、同じ時を過ごすなら、楽しく笑って、自分らしく過ごして行けたら良いと語る澁谷さま。認知症カフェにもご参加されて一人でも多くの方に笑顔で暮らしていただきたいと感じました。

4.おわりに

あいにく雨の降る天気でしたが、202名ものご参加をいただいた今回の「つどい」。

ご参加頂いた方々からは、「誰でも歳をとり認知症になる可能性があることを再認識しました。高齢化が進む中で、地域でできることをしていく必要があります。」「人生100年時代と言っても、いかに健康寿命が大事かと身につまされます。いつどうなるか、わからない人生。色々考えさせられました」 など、多くの感想をいただきました。

このつどいで感じたことや気づき、深めるきっかけを皆様に得ていただけたらならとても嬉しく思います。

いばらきみまもりあいプロジェクトでは、引き続き、これら4つの活動を通して、暮らしやすい地域づくりを皆さんとともに考えていきたいと思っています。

みまもりアプリの登録促進
・HPでの啓発
・ネットワーク会議の開催
・行政へのアプリと活動の周知

また、この機会に、認知症とみまもりアプリを紹介する漫画を作りました。ぜひお読みください。

みまもりアプリ」は、お手元にスマホがあれば参加できるみまもりあいです。

無料ですので、ご登録いただければ幸いです。

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主催:いばらきみまもりあいプロジェクト
■いばらきみまもりあい推進ネットワーク団体
 いばらきコープ生活協同組合
 こくみん共済coop茨城推進本部
 生活協同組合パルシステム茨城 栃木
 共栄火災海上保険株式会社水戸支社
 茨城県農業協同組合中央会(協同組合ネット)
 生活クラブ生活協同組合 茨城
 茨城保健生活協同組合
 NPO法人ともに歩む認知症の会・茨城
 社会福祉法人 茨城県社会福祉協議会
 医療福祉生協いばらき